口臭の原因の放置は、社会的地位までも脅かす

厄介な問題「口臭」。口臭の原因を知って予防することは、人間関係を円滑にする大きなひとつのカギになります。口の中の健康はもちろんのこと、生活習慣、食習慣、全身的な病気のサインとしての口臭を考えていきましょう。

口臭の原因1.食べ物

これは誰もが知っている口臭の原因のひとつです。食べ物は歯で噛んで砕かれ、消化をされて血流にのって吸収されます。血流は全身を巡っているので、最終的にはその食べ物の匂いは肺を通して呼気として上がってきます。ニンニクなど匂いの強い食べ物は口の中に直接匂いとしても残ります。食べかすが残らないように歯磨き、歯と歯の間のデンタルフロスなどで口臭を予防することは有効ですが、根本的には体を通り過ぎてなくならない限り、消えることはありません。

極端な断食や低炭水化物ダイエットは口臭の一因になります。生の人参やリンゴ、セロリなどをスライスして食べるなど、水分と繊維を含んだ野菜や果物を口にすることで口臭を防ぐことができます。

口臭の原因2.生活の悪習慣

口の中が清潔に保てない

食べ物は毎日、口の中に入ってきます。食べかすなどは、自分で口の中から取り除かない限りなくなりません。適正な歯ブラシやデンタルフロスを使って、口の中を清潔に保つ必要があります。口臭、虫歯、歯周病の原因菌は、清潔ではない口の中が大好き。これらの細菌を減らすことで、口臭を減らすことができます。入れ歯をしている人は、入れ歯も同時に清潔に保ちましょう。口臭の原因の80%が、口の中に原因があるといわれています。

タバコを吸う

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タバコには、タールが含まれています。歯のヤニとして、歯、舌、歯垢、歯石に付着し、匂いを放ちます。タバコの中のニコチンは、血管を収縮させて口の中の血液の循環を低下させます。唾液の分泌も少なくなり、口の中の自浄作用が失われていきます。タバコによる歯ぐきの炎症も、口臭の原因になります。ヤニは歯の表面に残り、菌が張り付きやすくなるのはもちろんのこと、いつまでもお口の中や歯肉にニコチンが染み出しつづけることになります。

口臭の原因3.健康的な問題

歯周病

歯周病と口臭の間には高い関連性があることが知られています。歯周病は、歯と歯茎の間に歯周ポケットができます。これは口の中の細菌の格好の住みかになります。細菌の中でも嫌気性菌は、代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンを産生します。これが口臭の元になります。歯科医院で歯周ポケットの測定など歯周病のチェックをしてもらいましょう。

また、歯周病を悪化させる原因のひとつにタバコがあります。タバコの煙には数千もの化学物質が含まれており、ニコチンや発癌性物質などの有害物質は200~300といわれています。喫煙者は、お口が臭い・ヤニがついて汚いだけではなく、歯周病(歯槽膿漏)にかかりやすく、ひどくなりやすいのです。治療しても治りにくいこともわかっています。喫煙者が歯周病にかかる危険は1日10本以上の喫煙で5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなるとの統計データがあります。

歯周病以外の口の中の問題

過去に治療を受けた不適合な口の中の詰め物や被せものが、口臭の原因になることがあります。デンタルフロスや歯間ブラシで詰め物や被せ物周辺の食べかすを取り除く際に、嫌な臭いはしませんか?人工物と歯との小さな隙間に食べかすが溜まり、菌が繁殖している可能性があります。とくに歯の神経の抜かれた歯は、さらに虫歯が進行しやすく自覚症状はほとんどありません。このように治療後に新たにできた虫歯の部分から、口臭の原因が見つかることもあります。また、デンタルフロスで虫歯が見つかることもあります。取れた汚れが臭かったり、デンタルフロスが毛羽立ったりします。これらは、自分ではどうにもできません。歯科医院でチェックして治療をしてもらいましょう。また、歯を抜いたあとの歯ぐきの状態によって口臭が発生することもあります。健康な人ならば感染を起こすことはありませんが、穴に食べ物が詰まるときなどにはしばらく口臭が続きます。

ドライマウス

薬剤の副作用が、ドライマウスの最も多い原因だといわれています。その中でもとくに、降圧利尿剤、血管拡張作用薬などの循環器用薬、睡眠・鎮静薬、抗うつ薬などの精神科用薬が多く、これらの他の要因が重なると口腔乾燥を生じやすくなります。ドライマウスの自覚症状のひとつとして「口臭」が挙げられますが、入れ歯が合わなくなって傷つきやすくなり、また虫歯や歯周病が悪化することがあります。また舌にドライマウス特有の症状が現れたり、料理の味が変わったように感じたりすることもあります。

自己免疫疾患のひとつ、全身的な疾患(シェーグレン症候群 )からくるドライマウスもあります。シェーグレン症候群と他の口腔乾燥症では処方させる薬が異なります。口腔ガンなどの放射線治療を受けている場合、唾液腺が照射の影響を受けて組織が破壊されることがあり、ドライマウスになる可能性があります。口腔乾燥には精神的なストレスも関係しているため、規則正しい生活やストレス除去も大切だといわれています。

また口腔乾燥には、年齢的なものもあります。唾液の分泌量は1日 0.5~1.5ℓですが、30 歳がピークで 40 歳以降減少し、高齢者になると 0.5ℓ 程度になります。年齢と共に唾液の分泌が減少するため、口臭をはじめとして虫歯や歯周病の原因菌が口の中で繁殖しやすく、これらの症状が現れやすくなります。

全身的な疾患

肺炎、気管支炎などで口臭が出る場合があります。咳によって口の中が乾燥し、口臭の原因菌が繁殖しやすくなります。また、気管支炎や喘息の場合は痰が溜まり、炎症がひどいときには膿も溜まります。痰や膿の中の細菌が、匂いを発生させます。誤嚥性肺炎とよばれる、口の中の歯周病菌から肺炎になるものがあります。食べ物や飲み物を飲み込む「嚥下」という機能が衰えた高齢者に起こりやすい肺炎です。肺が悪いと、少し生臭い感じの口臭がします。

さらに慢性鼻腔炎、後鼻漏、糖尿病、肝臓、腎臓の疾患、胃食道逆流症による口臭も知られています。

口臭の徹底的な対策方法

口の中の乾燥を防ぐ

唾液は、口臭予防に大変役立つものです。たとえば、朝起きた食後の口の中はすっきりしていませんね。これは、睡眠中に唾液の分泌量が低下するからなのです。安静時の唾液の量は 0.2~0.5 ㎖/分(平均毎分 0.3 ㎖) 、食事中の唾液は 約 4 ㎖/分なのに対して睡眠時の唾液量は 0.1 ㎖/分以下(8 時間で約 48 ㎖)。睡眠後や空腹時の口臭は、唾液が分泌されないことによって口臭の原因菌が増加してしまいます。睡眠前にはとくに、丁寧に歯磨きをしましょう。朝起床後は朝食をとり、食べ物を噛むことによって唾液の分泌を促します。何も口にしないで昼まで過ごすと、口の中の乾燥状態が長時間続いて口臭の原因菌がたくさん繁殖して口臭が続いてしまいます。

また唾液には、自浄作用とよばれる洗浄作用があり、歯の表面の汚れを洗い流してくれます。唾液が不足すると、歯の表面に食べか すなどが停滞しやすく、口臭だけでなく虫歯、歯肉炎の原因になりやすいと考えられています。 唾液にはさらに、いくつもの抗菌因子が含まれています。口の中の傷は多くの菌が存在しているにもかかわらず感染しにくいのは、このためです。歯を抜いた穴にごはんつぶなどが入っても、健康な人ならば感染しないで治癒していきます。

コーヒーを飲みすぎない

コーヒーを飲むと、舌の表面ににコーヒーの粒子がつきやすくなります。さらにコーヒーの中の砂糖や乳化剤などの添加物が舌苔に付着して口臭の原因菌が繁殖しやすくなります。コーヒーは口臭の原因になるので、飲みすぎないように気を付けてコーヒーを飲んだあとは口をゆすいだり歯磨きをしましょう。

禁煙する

タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、からだの組織への酸素供給を妨げます。ニコチンは血管を収縮させる一種の神経毒なので、からだが酸欠、栄養不足の状態になります。 またニコチンはからだの免疫機能を低下させ、抵抗力が落ちたりアレルギーが出やすくなります。さらに傷を治そうとする細胞の働きを抑えてしまうので、手術後の傷が治りにくくなります。しかし 禁煙をすることで、喫煙による危険性が下がっていくことも研究の結果でわかっています。歯周病にかかりやすさは、4割も減少します。

アルコールを控える 

アルコールは一時的なドライマウスを引きおこします。ビール、ワインなどのアルコールは、飲み終えてから8~10時間もの間その臭いが消えないといわれています。

歯医者で虫歯、歯周病の治療を受ける

歯周病、虫歯のチェックなどで歯科医院を受診しましょう。口腔乾燥など、全身的な疾患の場合でも歯周病や虫歯の悪化などで治療を受ける必要性が高まります。定期的に歯石をとってクリーニングをしてらい、歯磨き指導を受けると良いでしょう。常に自分で口の中をきれいに保つ習慣を身につけたいものです。

全身的な疾患が原因の場合

根本的な対処をしなければ口臭の原因はなくなりません。

Image courtesy of David Castillo Dominici at FreeDigitalPhotos.net

 

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